日本の布団といえば木綿布団!

吸湿性に優れているコットン素材の布団江戸時代からずっと日本の布団素材として親しまれてきた木綿。最近では化学繊維で作られた布団が一般的になっており、やや木綿布団は押され気味になっていますが、それでも中高年以降の世代からは根強い支持を集めているようです。こちらでは、そんな木綿の掛け布団について解説していきたいと思います。

掛け布団としての木綿布団にはどのようなメリット、デメリットがあるのか確認した上で、理想の掛け布団を選んでくださいね。

木綿と他素材を比較!木綿布団の良さって?

木綿100%が他の素材と比べて、保温性(温かさ)、吸湿性(汗を吸収する力)、放質性(汗を放出する力)、価格の面でどの辺が優れているのかを以下にまとめてみました。
※評価は当サイトの基準で三段階にしました(◎良い、〇普通、△悪い)

保温性 吸湿性 放湿性 価格
羽毛(ダウン) 高い
ポリエステル 安い
木綿(コットン) 安い
真綿(シルク) 高め
羊毛(ウール) 高め

表より、木綿の保温性と吸湿性は他の素材と引けを取らないくらい優れていますが、放湿性に関しては表の中で最下位(弱点)になっていますね。さて、このデメリットを知った上で、木綿の掛布団をうまく活用するにはどうすればよいのでしょうか?ここからはその対策をご紹介していきましょう。

木綿布団のメリット・デメリット

それでは、日本の布団としてもっとも一般的な木綿布団の特徴をまとめていくことにしましょう。

1.吸湿性が高く、日本の気候にぴったり!
木綿は繊維と繊維の間に空気を含むため冬でも十分な温かみがあり、吸湿性に優れた素材なので寝ている間の汗をしっかりと吸収してくれます。人間は眠っている間に200ccほどの汗をかきますので、吸湿性の低い布団を使うとジメジメとした不快感が生じてしまうのです。その点、木綿なら大量の水分を吸い込む性質があるので、布団表面は常にサラサラの状態。まさに、高温多湿の気候に合った“日本の素材”といえるでしょう。なお、手入れさえしっかり行えば5~10年、10~20年はもつと思いますし、打ち直しによっては30年も長く使えることも可能ですね。
※打ち直しについて詳しく知りたい方は『布団の打ち直しのメリット・デメリットが知りたい!』をご覧ください。
2.放湿性は低く、手入れが大変…。
吸湿性が高い一方で、吸い込んだ水分を放出する放湿性には難があります。いくら吸湿性の高い木綿でも、取り込んだ水分を放出しないうちに使っていては、内部に湿気がこもるのを防ぐことはできません。なので、少なくとも2日に1度は天日干しをしないと快適な睡眠を得ることはできないのです。
南向きのベランダでもあれば問題ないですが、日当たりの悪い家に住んでいる場合などは、布団乾燥機がないと厳しいでしょう。木綿布団が人気を落としている理由には、高層マンションなどが増えて日当たりの良い家が減ってきてことも関係しているかもしれません。
また、天日干しは湿気除去だけではなくダニ退治にも有効です。ここで効果的な方法を2つご紹介しましょう。太陽の力でダニを退治する方法については『お日様の力でダニを退治する方法!』を、天日干し以外でダニを除去する方法については『最もダニを退治できる方法とは!』をご覧ください。
3.重量があるため、寝心地に問題も!
敷き布団としては、頻繁な天日干しが出来れば非常に優秀な木綿なのですが、掛け布団としては大きなウィークポイントを持っています。それは、重量が重い素材であること。寝ている時に重みがかかっていると血流が低下して身体に負担がかかってしまうのです。過度の圧迫感は快眠度を下げることにも繋がりますし、残念ながら、掛け布団としての木綿布団は、あまり機能的とは言えないのです。ちなみに、木綿掛け布団の重さは4kg前後に対し、他の素材は1~2kg前後と木綿が1番重いのです。

以上のように、木綿の掛け布団は吸湿性に優れる反面、手入れが面倒、重量がありすぎる、などの問題点も併せ持った素材といえます。どうしても「木綿の布団でないと寝付けない」という方ならおすすめしますが、そうでなければ、それほど推奨するべき素材ではないというのが中立的な評価です。

木綿布団を選ぶなら配合に注意!

木綿布団の選び方木綿の布団を選ぶ時に注意するべきなのは“本当に木綿布団といえる製品なのか”という部分。最近では木綿布団という名称で売られているにも関わらず、実際には木綿と化学繊維を配合した綿混紡である場合も多いのです。

敷き布団の場合は”綿とポリエステルを配合することでクッション性が上がる”、といったメリットはありますが、掛け布団の場合は吸湿性が低下するデメリットが強く、あまりオススメできるものではありません。ポリエステルなどの混合ですと、重さは軽く保温性が高まりますが、綿の品質によっては糸ホコリが出やすくなるため、木綿布団を購入する際には必ず、素材が綿100%であることを確認するようにしてください。

【まとめ】高温多湿な日本では木綿布団がおすすめ

木綿の掛け布団は繊維の特質上年中温かく、吸湿性に優れていることから高温多湿な日本の気候に向いています。ですが、吸収した水分を蒸発させる放湿性が低く、掛け布団としては”他の素材と比べても重量がある”などの弱点もあります。仮に「木綿布団の寝心地が好き」という方でも、木綿は敷き布団だけに留め、掛け布団は別の素材を選んだほうが賢いかもしれません。参考に、木綿以外の掛け布団をご紹介しますので、詳しくは『掛け布団の種類を解説!あなたにおすすめする理想の素材』をご覧ください。

デメリットの対策としては、以下のような入念なお手入れをしてください。

・週に1~2回は天日干しする
効果的な干し方は布団干し袋がおすすめ!その理由は『機能性があってお財布にもやさしい布団干し袋』をご覧ください。やむなく部屋干しの場合は『布団・敷き布団の部屋干しで得られる効果』をご参考にしてみてください。
・熱を逃がして放湿性を高める
起床後すぐに熱を逃がすために、30分ほど掛け布団をめくっておくと良いでしょう。水分が飛び、カビなどの発生するリスクが抑えられて重さも軽くなります。

以上のように、こまめなお手入れができる人であれば、木綿の掛け布団も十分おすすめできます。なお、良質な睡眠は掛け布団より敷布団を見直した方が良い場合もあります。いくつか理由がありますので併せてご紹介しましょう。詳しく知りたい方は『あなたにおすすめする敷き布団の選び方』をご覧ください。

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