身体への負担を重視して介護用の布団選びの基本

寝具を選ぶ際のポイントは、「誰が使うのか」によって微妙に変わってきます。人それぞれの体格や生活スタイルによって、最適な寝具もそれぞれ違ってくるからです。これが介護用寝具となれば、なおさら特別な選び方をしなければなりません。介護用の布団は、どのような点に気をつけて選ぶとよいのでしょうか?

介護レベルを問わず共通して重視したいのは、「いかに身体に負担がかからないか」という点です。身体を休めるための布団がかえって負担になるようでは本末転倒なので、この視点だけは欠かさないようにしてください。元気な人の感覚ではまったく気にならないような部分も、要介護者にとっては大きな障害となる場合があります。

たとえば硬すぎる敷布団には注意が必要です。私たちの身体は平らではなくあちこちが出っ張っているので、硬い布団だとどうしても無理な力がかかってしまうためです。特に寝たきり状態の人は筋肉も脂肪も少ないので、一晩寝ただけで身体中が痛いということにもなりかねません。かといって、柔らかすぎる布団も問題です。身体が沈み込みすぎると寝返りが打ちづらくなり、床ずれができやすくなってしまうからです。

介護用の敷布団として理想的なのは、低反発素材でできた布団でしょう。身体の形に沿って沈んでくれますが、自由な動きを阻害するほど柔らかくもありません。電動式の介護ベッドやエアクッションにくらべれば予算的にも安価で済むので、取り急ぎ介護用布団が必要だという場合には第一候補となります。また、やや価格は高くなりますが、人間工学を利用して起き上がりやすく作られているものもおすすめです。低反発素材の布団について詳しく知りたい方は『腰に負担がかかりにくい低反発素材の敷布団』をご覧ください。

一方、掛け布団を選ぶ際には重量を考慮しましょう。重めの掛け布団は、身体の弱っている要介護者にとっては心臓や血管を圧迫しかねない凶器となります。加えて、こちらも寝返りを打ちづらくする原因となります。しかし軽すぎても寝返りの拍子に身体からずり落ちてしまい、風邪や肺炎などを起こしかねません。完全な寝たきり状態の人であれば軽くて暖かいものを、ある程度動ける人であれば、重すぎず軽すぎないものを選ぶようにするとよいでしょう。

以上、介護布団を選ぶ際のポイントを2点紹介しましたが、これはあくまでも基本的な考え方です。寝たきり状態の人と、自力で座ることまではできる人と、補助があれば歩くことも可能な人とでは、寝具に求められる条件はまた変わってくるはずです。介護の専門家の意見も参考にして、それぞれの健康状態に合った布団を選ぶようにしてください。